Tracability【トレーサビリティ】

更新日:2017年12月19日

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2017年防除は全て終了しました。


2017年は2−1、2−2号園におけるフェロモン防除は16年目を終え、4号園においては15年目、6号園においては13年目となりました。若干の傾斜地である1号園においてもフェロモン剤は安定した成果を見せているため、設置して3年度目となりました。モニタートラップ調査では対象害虫の誘因は確認されず、傾斜地園でも取り付け本数の工夫次第では有効な剤であるのは実証してきました。隣接園での放任園が表れてきたため、SS散布での防除にも限界がありそうですので、来年以降も継続して使用予定です。
 
 フェロモン防除体系はほぼ確立してきたといえそうですが、未だマイナー害虫への対応に関して多少の工夫の余地はありそうです。また、開花が早まった年の防除回数の増加が必至になった場合の対応もいろいろと工夫が必要になってくるようです。
 また、今年は比較的防除期間中は降雨量が多めであり、黒星病の発生も当地域でも予断を許さない傾向となってきたようです。ワタムシ、ナシマルカイガラムシに関しては専用剤の使用によりいったん終息させることができましたが、来年以降は多発を抑えるべく、有効な時期に有効な剤の使用を心掛けたいと考えております。県の防除体系が一昨年の県下全般の黒星病の多発生を受け大きな変更となった1年目でしたが、まだまだ変更の余地はありそうです。しばらく目に触れることが無かった赤星病の散見、ハダニの有効薬剤の減少などなど。来年以降も苦慮しそうです。

 

 除草剤散布は樹体へのリスクは無いように工夫しております。作業の効率向上や野鼠害の軽減のためには、必要な措置です。適宜薬剤の種類の選択及び使用をさせていただいておりますので、ご理解をお願いします。

 尚、フォーマットは、JA津軽みらい提出用です。

はこちらから

はこちらから(2011年9月)
当園においても収穫果実に含まれる放射性物質について、独自に検査してもらいました。

履歴のファイル形式:PDFファイルを閲覧するにはAcrobat Readerなどが必要です。

【※下記に、2号園に1と2があるのは、開園年が違う(2号園−2の方が新しい園地)ということで、散布の仕方も若干違う為です。】

 薬剤散布は1台のスピードスプレイヤー(SS)で行っており、通常、園地所在場所による作業順序の都合上、大体は1号3号4号2号−22号−16号→5号と各園地を回っていきます。園地の立地条件や病害虫の発生状況によって園地毎に薬剤を変えて散布するということに挑戦してはいますが、なかなか難しい点があります。

 基本的には、平坦な園地ではフェロモン防除『成分カウント数での使用回数削減』ということに取り組み、傾斜園地では慣行防除という2パターンを想定して実施しております。さらに、全園地とも減農薬基準に達するべく、成分カウント数をできるだけ少なくなるような工夫もしています。

尚、園地所在場所に関しては木村りんご園トップページ中段の『当園の紹介』をご参照下さいませ。
園地No 1号 一部傾斜のある園地ですが、フェロモン防除を実施。フェロモン防除2年目。
2号 更に分けて、開園30年以上の2−1号園と新しい2−2号園と表記する場合もあります。フェロモン剤を導入して15年目になります。
3号 極早生〜早生のみの栽培園。かなり傾斜の強い園地である為、現在のフェロモン剤は取り入れがたいと言われています。
4号 フェロモン剤を導入して14年目になります。フェロモン防除を実施するには小さめの園地(30アール)ですが、小さい園地でも適用でき得ることを実践しています。
5号 サンふじのみの栽培園ですが、土壌の質が悪いのかなかなか樹体の生育が芳しくありません。防除は慣行防除です。
6号 フェロモン剤を導入して12年目になります。

☆気になる用語

 成分カウント数・・・防除履歴において、薬剤の使用頻度を、散布回数や薬剤製品(商品)で数えるのではなく、薬剤に含まれる合成物質(薬剤成分)が期間を通して延べ何成分使用されたかをカウントする方法。例えば、1つの製品でも含有成分として2種類の物質が含まれる場合、2回散布すると4カウントになる。このカウント数では天然由来の物質でできた薬剤は0カウントになる。

 traceability(トレーサビリティ)・・・直訳すると『追跡可能』、つまり、「その農産物もしくは製品・商品などが、どのように栽培されたかもしくは作られたかを、遡って調べることができる」ということになる。栽培履歴/生産履歴とも言われます。いわゆる『顔の見える農業・生産現場』の一つの手段として使われるようになりました。

 フェロモン剤・・・昆虫の多くは、交尾の際、雌成虫が性フェロモンと言う生理的活性物質を放出して雄成虫を誘導する事を逆手に取り、化学合成された性フェロモンを園地全体に充満させることにより、雄成虫が雌成虫の居場所に容易に辿り着けなくすることで交尾を阻害し、次世代の発生を抑制しようとするものです。交信撹乱剤とも言う。対象害虫のみに作用し、人畜、蚕、水生動物、訪花昆虫、天敵などに対する影響や作物残留の心配が全くありません。

 性フェロモンは空気より重いので、傾斜地では園地全体に均一に充満させることが難しい為、使用できないとされています。

魚毒性 水産動物に対し、どの程度の毒性があるかを表す基準。
A類相当 通常の使用では問題ない。
B類相当

通常の使用では影響は少ないが、一時に広範囲で使用する場合は十分注意する

(B-s類:Bの中で特に注意が必要なもの)。
C類相当 薬剤が河川などに飛散または流入しないよう、特に注意する。
D類相当 水質汚濁性農薬に指定されたもので使用禁止地帯では使用できない。

 毒物・・・LD50が体重kgあたり、経口で30?以下、経皮で100?以下、吸入は200ppmで1時間以下のもの。

 劇物・・・LD50が体重kgあたり、経口で30?〜300?、経皮で100?〜1000?、吸入は200ppm〜2000ppmで1時間以下のもの。また、皮膚、粘膜に対する刺激性が強いもの。

 普通物・・・毒物劇物取締法で規定された特定毒物、毒物、劇物以外のもの。

 特定毒物・・・毒物のうち、その毒性が極めて強く、当該物質が広く一般に使用されるか、または使用されると考えられるものなどで、危険性の恐れが著しいもの。

 LD50・・・50%半数致死量。一定時間内に実験動物の半数を死亡させる致死量のこと。動物種および毒物の投薬経路によってその値は異なる。